自分たちが育てたアワビにマークをつけて,海へ放します。
何年後かにもう一度会うために・・・。
やり方は水産研究所の吉見先生に教えていただきました。
2004年2月19日に実施しました。

やり方

様々なやり方がありますが,気をつけることは デコボコが大きくならないこと。
(岩の間に入れず,他の生き物に食べられてしまう。)
消えないような模様がよい。
ペンキを塗ったり,穴に金属製のプレートをつけたりする方法もあります。
でも,今回教えてくださったのは,ダイナモテープを使う方法です。

ダイナモテープにイニシャル等を連続して打ちます。
はずしたダイナモテープを,1穴パンチのようなもので円形に切り取ります。
(円形のほうがひっかかりにくいからです。)

はずしたイニシャルの円形テープをアワビの稚貝にくっつけます。
写真は練習用のトコブシの貝殻です。
そのままでは粘着力が弱いので,あるものを使います。
さて,あるものとは・・・。



伊島では潜りの漁師さんがウェットスーツを着ています。
その修繕用のゴム糊でくっつけます。
(自転車のパンク修理用ボンドでもOK)
ピンセットや千枚通しで貝にそっと持って行けば,できあがりです。


2月には,トコブシの殻で練習をしたのち,実際にアワビの稚貝にマークをつける予定です。
2月12日,ナガレコ(トコブシ)の貝殻でマークをつける練習をしました。
ただの貝殻なのに,とっても苦労しました。
これが生きている稚貝であったら,どうなるんだろう・・・。
不安でいっぱいです。
吉見先生のビデオを見て,思い出しながら作業開始。
手元の細かい作業なので,思ったよりも大変。
それでも,下のようになんとかくっつきました。
それぞれ自分の名前の最初の文字がついています。
本番は,もっと小さいのにだいじょうぶかなあ・・・・。

2004年2月19日(木)水産研究所 吉見先生に再度来ていただき,一緒に育ててきたアワビの稚貝にマーキングを行いました。

生きた稚貝は,練習のようにいかないかな?
漁協の水槽で,世話をしてきたアワビたちを見てみよう。
吉見先生が,稚貝を見て「大きくなってるねー。」と一言。
「よくお世話をしたから,よく育っているよ」とほめてくれました。

まずは,エタノールで酔っぱらわせて,板から剥離(はくり)します。
アルコールがまわるまで,しばらく時間がかかります。

新聞紙の上に並べて,タオルで殻の部分の水分をふき取っていきます。
いよいよマーキング開始。
あらかじめ,用意したイニシャルを刻んだダイモテープをウェットスーツ補修用接着剤(ゴム糊)でつけていきます。
5人で手分けしていきますが,たくさんあるので大変です。
用意した分を約1時間あまりでつけました。
無事にマーキング完了。
たくさんの稚貝があることに
あらためてビックリ!
最後の仕上げは,瞬間接着剤で・・・。
アワビの穴に液が入らないように,注意しながらつけていきます。
思わず,手が震えてしまいます。
放流の日まで,あとしばらくお世話をします。
作業の途中で,漁協に捕れたばかり
のアワビが運び込まれました。
こんなに大きくなるかな?
右の緑色が稚貝で左が成貝(左写真)

午後から,吉見先生と放流場所を
見に行きました。
浅い場所でも大丈夫だそうです。
(天敵のタコや伊勢エビが少ないので)
右の写真は放流候補地です。